町を歩けば様々な所に立ててある『のぼり旗』。
シンプルなものからカラフルで凝ったデザインのものまで、オリジナリティに溢れた多くののぼり旗が存在します。
当たり前のように見かけるものですが、近寄って触ったり、詳しくまじまじと見ることはありませんよね。
この記事では、そもそものぼりとは何かという基礎的なことから、のぼりの歴史、活用事例などを広く解説します。
のぼりとは?|定義と旗との違いについて
のぼりとは、上辺と長辺に『チチ』と呼ばれる輪っかがついている縦長の形状の旗の事です。
のぼり旗を漢字で表現するなら「幟旗」「登り旗」「昇り旗」等といった様々な種類がありますが、正式な漢字は「幟」「幟旗」と書きます。
英語表記では、「Flag」「banner」「banner flag」「sign」等といった語句で表現されます。(のぼり旗の英語の明確な表記はありません)
のぼり旗は、古くから日本で「何かを主張する」「存在感を示す」ための手段として使用されてきました。現代では、主に店舗の広告やイベントの周知などで広く活用されています。
のぼりと旗の異なる点
のぼりと旗はとてもよく似ていますが、その形状や用途には細かな違いがあります。
二つの主な違いを解説します。
のぼり
のぼりの定義としては「細長い布の端につけた輪にさおを通し、立てて標識とするもの」とあります。(Wikipediaより)
縦長の布の上辺と左右どちらかの長辺に、チチと呼ばれる輪っかを付けて竿を通します。旗の二辺に竿が通っているので、風の影響で文字が読みにくくなることが少なく、安定してなびきます。
注水タンク型の立て台やコンクリートのスタンドに立てたり、ポールやフェンスに縛ったりと設置方法が様々あるのも、のぼり旗の特徴です。
のぼりの生地の素材として一般的に使われているのは、薄くて安価に生産ができる、ポリエステル製『テトロンポンジ』です。
テトロンポンジに関しての詳しい解説はコチラの記事をご覧ください♪
のぼりは集客のためにお店の宣伝として使われることが多いです。その他にも、イベント会場を盛り上げるための装飾として使用したり、神社で神様への感謝や祈願を表すために使用されます。
旗
旗は縦長の形状であるのぼりと違って、正方形や横長の長方形が一般的です。三角形の旗も存在し、形のバリエーションが豊富なところが特徴です。固定する部分ものぼりと違って一辺のみで、風の影響を受けやすくなっています。
使われる素材は多くの種類があり、テトロンツイルや塩瀬、天竺やエクスランなど豊富に存在します。のぼりに比べ厚い生地で頑丈に作られることが多いです。
旗は国旗や社旗、応援団旗などがあり、何かの象徴として用いられることが一般的です。
のぼりとは?|サイズや種類について
のぼりのサイズは様々あり、基本的には「W600×H1800㎜」の標準サイズ、「W900×H2700mm」のジャンボサイズ、「W90×H270mm」のミニサイズ等、設置場所や用途に合わせた大きさがあります。
神社の参道の両脇に掲げられる5m~10mののぼり旗も製作可能です。
詳しくはこちらのブログをご覧ください。
のぼり旗の種類も多数あり、大きさや形状によって呼び名も変わります。
のぼりとは?|起源、歴史について
実はかなり長い歴史を持つのぼり旗。諸説ありますが、時代を追って解説します。
邪馬台国の時代
のぼりの歴史は非常に古く、邪馬台国の時代に『魏志倭人伝』で有名な魏の国(現在の中国)によって卑弥呼に贈られた旗が起源だとされています(※諸説あり)。
当時は、神社や寺院などの神聖な場所を示すために立てられ、神々や信仰的なシンボルが描かれていました。
奈良時代~平安時代
奈良時代から平安時代かけて、戦で敵味方を区別するために武家が使用するようになり、世に広く知られることとなりました。
平安時代の頃は、まだ『流れ旗』という形状で、縦長の旗を紐で吊るして使用していました。
現在では、風向きや風力を測るために使用されることもあるようです。
戦国時代~
戦国時代(1467年~1603年)になると、武将や大名の家紋や家族の紋章を描いたものが登場しました。
『流れ旗』の形状は、風の影響を受けやすく見にくいという理由から、布の上辺と左右の一方を棒にくくりつけて固定する、現在の形状が生まれたとされています。
この時代に変化を遂げたのぼり旗は、家名や武功をアピールするために使用されていきました。
大河ドラマを見れば、戦場でのぼりを掲げて戦う武士たちの姿をよく目にします。昔から人々が何かをアピールする手段として、のぼりを使用していたのがよく分かる場面です。
江戸時代~
江戸時代(1603年から1868年)に入ると、のぼりは武家だけでなく庶民の間でも広く使われるようになりました。商家や店舗では、のぼりを使って商品の宣伝や店の目印として利用しました。
この時期には、のぼりに文字や絵柄を描く技術が発達し、様々なバリエーションののぼりが作られるようになりました。
両国国技館前に掲げられている相撲のぼり旗も、江戸時代から立てられるようになりました。
明治時代~
明治時代(1868年から1912年)に入ると、西洋文化の影響を受けて新しいデザインののぼりが登場しました。明治政府が推進した近代化政策により、のぼりは商いだけでなく、政治的なメッセージや国旗、スポーツ、船舶でも掲げられるようになりました。
現代
現代においても、のぼりは祭りやイベント、店舗の宣伝などで広く使われています。昔に比べ、簡単にフルカラーや写真を入れる印刷技術が発展したので、様々なデザインののぼり旗が立てられていますね。
製作方法や形は変わりつつも、幅広い分野で今でも活躍し続けています。
のぼりとは?|用途と役割について
のぼりの役割はお店やイベントの広告や装飾、場所の目印や注意喚起にも使われます。
この章では主な活用事例をご紹介いたします。
店舗・イベントの広告宣伝で
のぼりの最も一般的な使い方として知られているのが、飲食店、スーパーなどの店舗の装飾、商品の販促です。街中を歩いていても、お店の前に立てられたのぼり旗を目にする機会は多いですよね。
飲食店の販促のぼり
飲食店ではおすすめのメニューや、値段などのアピールしたい内容をのぼりに載せることで、広告としてお客さんに効果的なアピールをすることができます。
道路わきに一定の間隔を置いて複数設置することにより、道を行く人の目に止まりやすくなるよう工夫している店舗も多いです。
イベントをアピールするのぼり
イベントの周知・宣伝としてものぼりは活用されています。会場付近にのぼりを複数設置することにより、イベントの存在を多くの人に知ってもらうことができます。
ズラッと並んだのぼりがあると、イベント会場を華やかに彩りますね。カラフルなのぼりは自然と見る人の気持ちを高揚させるので、イベント装飾としてぴったりです。
お祭りや儀式、選挙に
お祭りや初詣、選挙の時期にものぼり旗をよく見かけませんか?のぼりには販促やイベントの周知とは大きく異なった意味や使い方もあります。
神社ののぼり
神社に立てられるのぼりは、お店やイベントで使われる用途とは大きく異なります。
神社には、神様の威厳や神格を示すために参拝者や氏子によって奉納されたものや、「家内安全」「厄除祈願」などの、参拝者の願いが形となって奉納された『祈願のぼり』などが立てられます。
神様に対するお願いや、神様への畏敬の念を呼び起こす目的で使われており、神社によっては長さ10メートルを超えるような大幟(おおのぼり)が立てられることもあります。秋祭りや初詣の際は迫力のある大きなのぼり旗がズラッと並んで圧巻ですよね!
選挙のぼり
のぼりは選挙のときにも活用されます。演説の場に複数設置して、候補者を目立たせるために使われます。
しかし、のぼりを選挙で用いるにはいくつかのルールを守らなくてはなりません。選挙期間以外は基本的には候補者の名前や顔写真をのぼりに載せてはいけない決まりになっています。
政党名やキャッチフレーズを載せることは可能なので、候補者の中にはデザインに趣向を凝らしたのぼりを設置している人もいます。
スポーツの応援
のぼりは人目を引く華やかさから、スポーツの応援にも広く用いられています。
部活動の応援からプロのスポーツチームの大会まで、試合会場に行けば多くののぼりを目にする機会があります。
試合会場を盛り上げる効果のほか、チームの存在をアピールしたりもちろん一体感が生まれ士気も上がります。
場所を取らず、すぐに立てることができる使い勝手の良さもスポーツの応援時にのぼりが用いられる要因です。
相撲(興行)のぼり
日本特有の代表的なスポーツと言えば『相撲』。様々なスポーツの会場でのぼり旗を見かけると思いますが、相撲の会場、特に両国国技館で掲げられるのは『相撲のぼり(興行のぼり)』という特別なのぼり旗です。
相撲のぼりは、力士の名前や部屋、スポンサーの名前が色鮮やかに彩られた大きなのぼり旗の事です。製作できる業者が決まっており、一つ一つ手作りで染め上げ、製作されています。相撲のぼりについて詳しく解説している記事がございますので、是非ご覧ください。
交通安全の注意喚起に
交通安全の注意喚起として、のぼりを掲げることがあります。風でなびくことで視認性を高めるのぼり旗は、運転手や通行者の目に入りやすく、安全運転や道路への飛び出しの抑制に役立ちます。
学生の通学路や大通り、見通しの悪い場所、事故の多発地点に設置されます。
上記の他にも様々なシーンでのぼり旗が使用されています。
オーダーのぼりドットコムでは多くのシチュエーションにあった製作事例がございます。
業種・シーン別活用事例の一覧をご紹介させていただきますね。是非、ご参考になさってください。
まとめ
のぼりの意味や歴史、活用事例についてご紹介させていただきました。
この記事を読む前と今では少し見え方が変わっていると嬉しいです。
歴史は非常に古いですが、今現在でもお店の広告やイベントの周知、神社への奉納など様々な場所で活躍しています。
デジタル広告が流行る中、まだまだ街中で大活躍しているのぼり旗に注目してみてください。
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