ヒートカットとは|ほつれない布の裁断方法について

ヒートカット のぼりの製作、生地について
のぼりの製作、生地について

今回のコラムでは、のぼり旗の生地の裁断に欠かせない工程、【ヒートカット】について紹介します。
ハンドメイドクラフトやDIYが趣味な方、布製品を綺麗に仕上げたいという方は必見です!
是非、ご参考になさってください。

ヒートカットとは

ヒートカット加工とは、高温に熱せられたカッターで生地を溶かしながら切る方法です。

熱で溶けた生地の繊維は冷えて固まるので、ほつれ防止になります。


布の端をほつれさせることなく、きれいな切り口で仕上がっていますよね。


こちらは電動カッターで切っただけの場合です。


ご覧の様に糸がほつれてしまっていますね。

仕上がりに雲泥の差が生まれています。

動画でもヒートカッターと電動カッターの仕上がりの違いについてご覧いただけます!

【化繊生地の】電動カッターVSヒートカッター!【裁断方法】

ヒートカットに向いている素材/対応できない素材

ヒートカットで切れる素材は化学繊維を使用した生地になります。

紙や綿などの天然素材はそのまま焼けてしまうので切ることができません。

のぼりに使われているテトロンポンジやツイルは化学繊維なので、ヒートカットで切ることが出来ます。

化学繊維でも伸縮性が高い生地や、生地が分厚く切った後に溶け後が残るものは切った後が汚くなるので、ヒートカットは上手く出来ないこともあります。

ヒートカット加工が難しい形状

ヒートカットは定規を使って切っているので、曲線だと綺麗に切ることが難しいです。

ただ、決まっている形を切る場合、あて型を作れば曲線でも綺麗に切ることは出来ます。

オーダーのぼりドットコムで製作している「アール加工ののぼり」(下の写真)や、「スタイリッシュのぼり」のポールを通す部分はあて型を使ってヒートカットしています。

ヒートカットに必要な道具の説明

この章では、ヒートカットに必要な道具の紹介をします。

ヒートカッター

高温で生地を焼き切る刃が付いています。

刃は着脱可能で、交換したりメンテナンスをすることが出来ます。

刃は使っていると先が丸くなって切れ味が落ちてくるので、紙やすりで削って整えます。

ヒートカット台

これは名前の通りヒートカッターを置く台です。

ヒートカッターは100度を超えるほどの高温になるので、置いたときにぐらぐらしないようにしっかり上下から固定できるようになっています。

スポンジ

水に浸したスポンジで、生地を切った後に付く汚れを拭きとることが出来ます。

耐熱スポンジなので温度が高いヒートカッターでも溶けることはありません。

耐熱性のあるガラス板

ヒートカットをする際には、不燃で熱伝導率が低い素材の下敷きを敷きましょう。
弊社では耐熱性のあるガラス板を使用しています。

ガラス板の他にステンレスや耐熱シリコンマット等、熱に強く平らな素材でしたら使用する事ができます。

家庭でも使えるヒートカッターのご紹介

弊社で使っているヒートカッターは、温度の出力も高く、素早く切ることが出来ます。

しかしその分値段も普通の市販されているものよりかなり高いので、家庭用で買うには少し大層であると思います。

そこで、家庭用でヒートカッターを買うならどういったものがあるのかを簡単に紹介します。

引用:Amazon

Amazonで「ヒートカッター 布」等で調べると、赤線が引いてある商品が候補に挙がってくるかと思います。(個人の検索履歴等によって若干の誤差はあります)

基本的にヒートカッターは「ペンタイプ」と「ナイフタイプ」に分かれます。
この二種類のタイプについて簡単に説明致します。

「ペンタイプ」の特徴

引用:Amazon
こちらのタイプは基本的に安価なもの(1000円~5000円)が多く、重量も軽いため扱いやすく握っていても疲れにくいです。

デメリットは温度が上がるのに時間が少しかかることと、温度が低めに設定されているため、素早く生地を切るのが難しいことです。

「ナイフタイプ」の特徴

引用:Amazon
こちらは「ペンタイプ」より高い値段のヒートカッター(8000円~20000円)が多いです。

スイッチを入れてから温度が上がるスピードが速く、最大温度も「ペンタイプ」と比べると高い温度が出るようになっているため、大きい生地や連続して切りたい時にも素早く裁断することができます。

デメリットはそれなりに大きいので、片手でずっと握っていると疲れやすいことです。

結局ペンタイプ?それともナイフタイプ?

結局どちらがいいのかは使用用途によって異なります。

一度に切る時間がそんなに長くなく、小さいものを切ることに使うのであれば「ペンタイプ」で十分です。

逆に一度に切る時間が長く、大きい物を切る場合は「ナイフタイプ」の方が良いでしょう。

用途や金額、使用頻度を鑑みてご検討ください。

ヒートカット加工に関する注意点

ヒートカッターを取り扱う時に気を付けることが二点あります。

一つ目は、ヒートカッターは高温なため不安定なところに置いたり、電源を切り忘れると火事になったり火傷をすることもあるので気を付けましょう。

二つ目は、ヒートカッターは溶かして切る道具なので切っている間に、匂いがきつい煙が上がることがあるので換気をしながら行うようにしましょう。

ヒートカット加工が使われている主な用途例

ヒートカット加工で仕上げている弊社商品や、ハンドメイド等で使われる用途例をご紹介いたします。

のぼり旗

生地がほつれないようにしっかりとヒートカットを行っています。
通常仕様ののぼり旗は、耐久性を上げる為に下辺を【三つ巻き縫製】という加工で仕上げていますが、「ホームベース型」「アール型」「斜め型」といった変形のぼりは、より美しく魅せるためにヒートカット加工のみで仕上げています。

変形のぼりの加工についてはコチラをご覧ください↓↓

タペストリー

左右をヒートカットで仕上げる事によって、縫製するよりも美しく仕上がります。

テーブルクロス

周りの辺を補強縫製しない場合は全てヒートカットで仕上げます。

バナースタンド

ビジュアルが命のバナースタンドもヒートカットで仕上げています。
縫製の糸が入らないので、デザインの邪魔にもなりません。

ランチョンマット

時間をかけて周りをヒートカットすることで、人の肌が触れても問題ないような柔らかい仕上がりにすることが出来ます。

ワッペン・ブローチ

曲線がある図形をヒートカットする場合でも定規を当てながら、回転させて切ることで綺麗にヒートカットすることが出来ます。

ヒートカットについてのまとめ

あまり紹介する機会のないヒートカットについて、沢山書くことが出来て大変満足です。

今回は用途例であげませんでしたが、カーテンやマジックテープ、ナイロンテープを小さく切ったり、他にもナイロン袋を小さく切り分けて商品を入れる袋を作ったりと、本当に様々な使い方が出来ます。

皆さんもぜひ、ヒートカッターでいろんなものを切ってみましょう。

\弊社へのお問い合わせはコチラから!/

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